Wednesday, 08 August 2012 02:08

No.23:他者依存心

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健全な自我、それは「他人への依頼心、依存心がない」こと。借金は他人への依存心、ケチで飲食を人にたかるなども他者依存の表れ。しかし、このような物質面ではなく、精神面においても他人に依存している場合もある。人の話を聞いて「目からウロコが落ちた」という人がいますが、このようなタイプは自助と寛容の心に欠け、自分の気に入らない答えを得ると、不快な感情をあらわすことが多い。自分が不快であったとき、相手やその場の人々の気分を悪くすることを配慮せず、その気分をその場にぶつけてしまう人です。

このような人は、寛容ではない。不快な気分を他人にぶつけることで自分を晴らそうとしている。これは「他者依存型人間」の特徴。人に不機嫌をぶつけていることは、ぶつけた相手に依存している。本人はそんなことに全く気付いていない。「あの人は、口は悪いが根はいい人だ。随分とひどいことを言うが、言ったあとはケロッとして根にもたない」この口の悪い人は他者依存をしている。なぜなら、口の悪い人は自分の不快感を人に伝染する。相手はたまったものではない。いずれにしろ他者依存の態度は、それが物質的であれ心理的であれ、その態度や行為は人を悩ます。その意味で、その人の自我は不健全である。多くの場合、このような人は愚痴っぽく、怒りっぽく、他人に対して攻撃的になりやすい。つまり、自己中心的人物である。

 

エスケープ・ベロシティとキャリズムの2冊の本が面白い。キャリズムは2002年に発売された「超マーケティング理論」。ハイテク製品をヒットさせるためのカギは何か?を多くの成功・失敗事例を挙げながら成功に導くマーケティング手法を説く。イノベータ、アーリー・アダプター、アーリー・マジョリティー、レイト・マジョリティー、ラガードなど購買者の心理を分類しながらどう対応するかを説明している。最大の問題は、アーリー・アダプター(先駆者)とアーリー・マジョリティー(現実的な購買者)の間に横たわるキャズム(深い溝)である。キャズムを超える方法は「支配できそうなニッチ市場をターゲットとし、そこからライバルを追い払い、そこを起点としてさらに市場を拡大する」ことであると説明されている。一方、エスケープ・ベロシティは2011年発売のもので副題が「キャズムを埋める成長戦略」となっている。

要点は、過去のしがらみにとらわれない、真の革新的な戦略を立案するには、次の5つの戦略的な対話が必要と説く。①カテゴリー:自社にとっての成長カテゴリー、低成長カテゴリーは何か、②企業力:長期的な優位性を提供できる資産や能力は何か、③市場力:市場セグメントでリーダーの地位を確保できるほど市場に強く関与しているか、④製品力:ヒットが確実なものはどれか、差別化要素をさらに拡大するために何ができるか、⑤実行力:差別化を実現するのに十分なイノベーションを行っているか、差別化の基盤となる活動を制度化できているか、以上の革新的な成長戦略を立案するためのフレームワークを紹介している。2冊の本から言えることは、将来に向かう懸命な努力に抵抗する力が、自社の中に存在することである。この抵抗力とは、前年度の経営計画である。これを「過去の引力」と言っている。キャズムは大きなリスクを伴うが「木だけを見て森を見なければ成功しない」ことを示唆している。エスケープ・ベロシティも、過去のしがらみにとらわれ(過去の延長戦上にある事業計画)、方向転換できずに千載一隅の成長機会を逸することだと示唆している。しかし、それは回避可能である。方向転換に必要な「脱出速度(エスケープ・ベロシティ)」を達成できる方法がある。それは、将来の機会とリスクを踏まえたビジョン、戦略、実行に関する構造的な対話を行うことだ。具体的な方法が上記にあげた5つのフレームワークである。

 

Sunday, 22 July 2012 19:29

No.21:持続可能な社会

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エアコン、冷蔵庫、自動車などあらゆる商品のテクノロジがエコになっている。そして日本人の環境問題に対する認識は先進国でも群を抜いている。しかし、家庭部門のエネルギー消費は減るどころか増え続けている。この状態を「エコ・ジレンマ」と呼ぶ。どうしてこうなるのか。一つはエコ商材、エコポイントもつくし、製品の効率も良く、もう一台となる。もう一つはテクノロジをどう使うかよくわからない。本来、人間らしく生きるためには豊かさが必要だ。豊かさのためにテクノロジがある。しかし、テクノロジを主にするのではなく、テクノロジがライフスタイルに責任を持たなくならなければ新しい時代が来ていると考えるべきだ。

地球環境問題には資源、エネルギー、食料、人口、水、生物多様性、気候変動という7つのリスクがある。このままでは2030年ごろに限界に達する。この7つのリスクにしたのは、間違いなく人間活動の肥大化。ですから心豊かに暮らしながら、人間活動の肥大化をいか停止、また縮小するかを視点に考えるべきだ。2030年という厳しい環境制約の中で心豊かに暮らす生活シーンを考える。そしてそれを構成するテクノロジを見つけ出し、地球に負荷がかからないようデザインしなおす。これがネイチャー・テクノロジ・システムだ。単なるバイオミミクリー(生物模倣)ではなく、ライフスタイルと一体化して生みだすテクノロジだ。その際、考慮すべきは「生活価値の不可逆性」という人間の欲の構造だ。人間は一度手に入れた快適性をなかなか手放せない。18世紀、英国での産業化革命は自然との決別、つまり、自然を奴隷のように使うことで成功した。テクノロジが初めて庶民のものとなり、大量生産、大量消費に向かった。今後は自然観と決別しない産業革命、大量生産、大量消費に向かわない産業革命は可能か。そのヒントは日本の江戸時代にあった。テクノロジは庶民化したが、八百万の神、自然のおかげで生きているという価値観を失わず、大量生産、大量消費に向かわなかった。自然のドアをノックすれば宝の山が転がっている。評論する時代は終わり、ネイチャーテクノロジを生みだし、それを使った新しいライフスタイルを次の世代に伝えるのも我々の使命である。

 

 

コミュニケーションの語源は、ラテン語の「コミュニス」あるいは「コミュニカーレ」、意味は、完全にフラットな立場ですべての情報を共有すること、とある。つまり、互いの情報を、100%伝え合うことで成立するのがコミュニケーションだ。これに対し「成立できていないコミュニケーション」は、御用聞き、押し売り、自分勝手なスタイルの場合である。コミュニケーションは相手があってこそ成立する。長期的なコミュニケーション・パートナーシップを構築するためには、そのメカニズムを知る必要がある。キーワードは3つある。イメージ(右脳)、科学(左脳)、心(心構え)であり、3つのバランスが一体化することである。一体化とは「調和」のこと。ここで重要なのが「心構え」だ。相手を知り、その相手と正対することである。ポイントは、「メッセージの受け手を知ること」「顧客の真のニーズは何か(クリスタライズ)」「イメージをポリッシュアップする(ブラッシュアップ:忘れていたものを思い出す。プリッシュアップ:自分の能力をより高めていくこと)」である。そして、3つ先の顧客を考える。

1つ先だけを見る「御用聞き」、2つ先まで見る「専門家として信頼」、3つ先を理解できたとき、「ビジネスパートナー」、になる。大事な事は「相手を知り、その相手と正対する勇気を持つ」ことであるが、それが簡単にできない。そもそも人間は、というより動物は相手に対する潜在的な恐れがあり、真正面から向き合うことがそもそも難しい。脳の働きには意識と無意識が存在し、脳による指令の多くは無意識の情報である(潜在的側面)。意識の典型は言葉を駆使することで、①表現を選択する、②今の状況を蓄積しておく短期記憶が必要、③過去の記憶と照らし合わせて最良のものを抽出する、という極めて高度な作業をつかさどる(顕在的側面)。が、人間の行動は無意識の塊で、動物のほとんどは無意識の行動に制御されている。すなわち相手に対する恐れという感情をコントロールしなくては、その感情を克服することはできない。したがって顧客と正対するには自らがかなり意識して、ある種の勇気をもって相手と向き合うことが必要だ。正対したコミュニケーションとは、単に情報を正確に伝え合うだけでなく、互いの長所や短所、課題を可視化、共有し、長期的に互いを高めるパートナーシップを構築することだ。メッセージは活きている。人の思いや魂が宿っている。しかし、伝える相手により適切な伝え方や内容、タイミングがあり、それを間違うと誤解される。バックグランドを共有していない相手とのコミュニケーションは、自己の信条や常識が優先し、とにかく互い主張ばかりの水掛け論になりがち。したがって、できるだけ歩みよるためには、まず互いが互いをイメージできる共通のベースを少しでも多く持つことが重要だ。数字やシンプルなロジック、相手が理解できる言葉など活用することだ。コミュニケーションの本質を一言で言うと、ホスピタリティ(相手を思いやる、もてなす気持ち)、相手をイメージし、ロジカルに検証しようとするモチベーションの源泉は、相手を思いやる心に他ならない。                    Thinki2009:No.28「三位一体コミュニケーション」から抜粋

 

これからどうなるのか、先のことはわからない。人間は英知によって文明を飛躍的に発展させた。この地球上で他の動物からは抜きんでた存在になったが、先のことはわからないという点では、現代人も原始人も全く同じレベルなのである。変化への予感が不安を呼び起こす3つの心配事。「健康」「子供の教育」「老後」。先のことはわからない。人は全知全能にはなれない。未来を知ろうとするあがき、わからなければわかるようになりたいと思う。これが人間の常だ。その情熱が文明をここまで発展させた原動力である。わからないから面白い。先のことはわからないから人間は面白い、人生は楽しい。人間は未来を描き、希望を抱き、それが原動力になって活気を呼び起こし、人生を、世の中を面白いものにしている。

知識と情報が教えてくれるもの。未来についての輪郭を掴む。新しく出現する事態に的確に対処していく、それが人物。では、どうすればよいか?まず、「知識」、そのための勉強、そして、「情報」、情報を掴むための努力である。何もわからない先行き。だが、わからないなりに起こった事態を的確に把握し、対処していくには、知識と情報は必須である。それを得る力がなければ、とても人物とはいえない。戦国時代の武将がいかに情報に敏感で、その収集と的確な把握に努めたか「すべての道はローマに通ず」である。

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