第一に「意識の共有」です。
誰もがフォーラムやシンポジウムなどに参加したことがあると思います。参加する時、自分に関係があるか、興味があるテーマを選びます。そこに集まった人たちの共通の課題とも言えます。参加者は同じ思いを持つことで問題意識を共有できるわけです。これは不特定多数の参加による「意識合わせ」ですね。
第二は、「目標の共有」です。
意識の共有ができると、そのテーマに関していろいろ議論が始まります。具体的な話題を話し合います。何をやりたいのかがはっきり見えてきます。たとえるなら、家を建てるときの完成予想図ですね。目標は語るのではなく見せるものです。これは特定多数による「目標の確認」ですね。
第三は、「知識・知恵の共有」です。
目標を実現可能にする実施計画ですね。そのために必要な技術、才能、それらを持つ人たち、組織、資金などを共有します。つまり、実現のための実施計画とその要領という明確な役割という実質が見えてきます。目標は願望ではなく実質です。

第四は、「情報の共有」です。
すでに多くの企業が取り入れている情報共有化はこのステージになります。ここは実行なので、自分で新たに何かを計画することはありません。しかし、前段の3つの共有がしっかりしていないと混乱の要因になります。例えば、履歴書はその人を説明する情報です。志願動機は、その人の「意識」や「目標」の確認ですね。そして、何ができるのかは「知識・知恵」、となります。この3つを相手(企業)と共有することで、お互いのギャップを埋めることができます。これでコミットメントできれば内定です。その後は、お互いに情報を共有しさらにギャップを埋めていきます。ビジネスの世界も人と同じように企業の理念(意識)やビジョン(目標)、社員のスキル(知識・知恵)が、その企業の履歴書。これがコミットメント条件です。ヒト、モノ、カネが経営資源といわれていますが、この3つの共有化を社員にしっかりと理解させることが大事であるといえます。現在の社会は情報爆発時代とも言われております。情報の共有化だけが進むと、混乱や不安だけが先行し、ともすれば間違った行動につながります。第一の「意識」をまず共有することが非常に大事な時代になったわけですね。企業のマーケティングにおいて「ブランディングツールキット」という概念があります。これは、企業の理念(ミッション=意識共有)を明らかにし、企業の方向性(ビジョン=目標共有)を決め、企業の行動計画(ストラテジー=知識共有)を明確にして始めて企業と社会(顧客)とのギャップが埋まってきます。インターネット革命は、フラットな世界を作り、次の新しい時代の扉を開きつつあります。Tiwtter、facebookなどのSNSは、またたく間に広がり、様々なシェアリングが行われています。インフォーマルネットワークが起こす場のイノベーションはすでに大きく開かれてきました。オープン、ボトムアップ、ボランティアのインターネット文化は、クローズでありトップダウン、リーダーシップを主とする企業社会を脅かしています。本当の情報共有化社会を構築するには、上記の4つのシェアを十分理解して始めることが涵養であります。

 

いままでさまざまな組織形態により「アイデアやノウハウの結集や浸透」が図られてきた。結果、組織は活性化してきたが、それを補強するのが「場(BA)」である。

 場とは何か?、場は、共通の専門スキルやある事業へのコミットメントによってインフォーマル(非公式)に結びついた人的ネットワークである。その効果は、組織の戦略を推進し、新規事業を生み出し問題を解決する。また、ベストプラクティスを浸透させ、各人の専門スキルを高め、人材を呼び込んだり、囲い込んだりする上でも役にたつ。場に集まるメンバーは、自由かつ創造的に経験や知識を分かち合うようになり、新しい着想が生まれやすい。

では、場は有効か?、場は何世紀も前から存在していた、ビジネスで扱われるようになったのは最近。場を積極的に展開したり、育てていこうという先見的企業が少ない。場を創造・維持することも、それを従来の組織に融合させることも、そう簡単ではない。場は有機的であり、自律的であり、非公式である。
では、場とチーム組織の違いは何か?
チームとは個々のプロジェクトを完結するためにマネジャーが組織する。場は非公式、自律的に形成される。場のメンバーは参加すべき時と場所を自ら判断する。技術ノウハウ蓄積の場、顧客サービス向上の場である。
では、場は意図的に育てることが可能か?
場の種を見出す、非公式なネットワークを見出す、インフラを提供する、従来と異なる観点で評価する。場は知識主導型、もう芽生えている。Facebookなどはこれらの場を醸成する力を持つ。
マネジャーは「場とは何か」「どのように役立つか」、場がナレッジの源泉であり、知識経済へ挑戦するためのカギであることを理解すべき。場は非公式な存在ではあるが、その力をフルに引き出すには、「シェア(共有)・フリー(自由)」をマネジメントできるかだ。共有に関する4つのプロセスを知る必要がある。場のイノベーション②で解説する。

第一ステージは「フォーミング(形成期)」。チームは同じ共通目的と目標のもと結成される。最初はお互いよく知らず何をするかわからない。与えられた目標に向かって行動し、一見穏やか。
第二ステージは「ストーミング(混乱期)」。コミュニケーション量が増え、本音が出始める。メンバーは自己主張、人々は対立、衝突を繰り返す。チームは迷走を始める。不穏な雰囲気も漂い、ストレスを感じる。
第三ステージは「ノーミング(規範期)」。個人の役割とチームの決まりごとが明確になり、目的や目標を設定するようになる。
第四ステージは「達成期」。成功体験が共有され「このチームだったら何でもできる」と確認が生まれる。チーム能力が発揮でき、成果が生まれる。そして目標を達成したチームは「解散」となる。

 これは「タックマンモデル」と言われ成長過程を分かりやすく表現している。これに対し、人間の成長過程の5年間について。最初の1年目は野原の「」といわれ、自由に野原を走り回っていろいろなことを体験する期間をいう。新入社員に「君たちは将来のわが社を支える大事な人材、リスクを恐れず自由な発想で取り組んでほしい」(一見穏やか)などと話す上司もいるはずだ。これが社会人1年生。2年目になると会社には規則があることを知る期間。コンプライアンス、セクハラ、パワハラなど厳しく処罰されこともある。これを社内の規則に従うということで「」という。「いつもでも新入社員では使いものにならないぞ」「現実は泥臭い仕事をこなすことだ」などと言われ「ストレスを感じてくる」。ここから会社人間を目指すようになる。3年目は、「石の上にも3年」というように、自分の仕事の役割がわかってくる期間。仕事に通じるから「」という。「わが社は」「弊社は」と会社中心になる。そして、4年目は「君も一人前の人間になったな」と褒められる期間。会社として外でも使えるということで人物の「」という。これをタックマンモデルに当てはめると、形成期=野、混乱期=従、規範期=通、達成期=物、となる。タックマンモデルはここで「解散」となるが、人の成長過程では5年目が一番大事な期間としてとらえている。それは「未来を創造するインスピレーションがわき出る時期」と言って「未来」の「来」という。つまり、達成感を持った人間は次世代に対して自らの経験、体験をわかりやすいメッセージで伝え、それを次世代の人間と協力し合いながら新しい社会を創りあげていくことが「未来を創る」ということだと思う。

24 / 24