Tuesday, 05 February 2019 20:50

■SDGs推進本部「SDGsアクションプラン2019」決定

Written by
2018年12月21日に「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部(以下:SDGs推進本部)(本部長:内閣総理大臣 副本部長:内閣官房長官、外務大臣 事務局:内閣官房)」第6回会合が開催された。会合では、「アクションプラン2019~2019年に日本の『SDGsモデル」の発信を目指して~」を決定した。続いて、第2回ジャパンアワード表彰式を開催し、本部長賞1件を含む計15件の表彰が行われた。

「アクションプラン2019」は、2019年6月に開催されるG20大阪サミット首脳会議、同年8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)等に向け、具体的取り組みを推進・強化し、議長国としてのリーダーシップを発揮するため、「アクションプラン2018」および「拡大版SDGsアクションプラン2018」から一層踏み込んだ詳細な内容になっている。

2015年国連サミットで採択されたSDGsは、人間の安全保障の理念を反映した「誰一人取り残さない社会」の実現を目指し、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むものとしている。掲げられた目標は、開発途上国だけでなく、先進国においても取り組むべき課題が多く含まれており、その達成のためには、各国の関係行政機関の取り組みが相互に関係してくる。

そのため、日本は2016年5月内閣にSDGs推進本部を設置した。その目的は、「持続可能な開発目標(SDGs)」に係る施策の実施について、関係行政機関相互の緊密な連携を図り、総合的かつ効率的に推進するためである。

SDGsの実施に向けて、国内実施と国際協力の両面で率先して取り組んでいくべく、内外の取り組みを省庁横断的に総括し、優先課題を特定したうえで、2016年12月のSDGs推進本部第2回会合において「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」を決定した。
次いで、2017年12月第4回会合で「アクションプラン2018」を決定、さらに2018年6月第5回会合にて「拡大版アクションプラン2018」を決定した。

今般、G20大阪等で議長国としてのリーダーシップを発揮することも踏まえて、「アクションプラン2019~2019年に日本の「SDGsモデル」の発信を目指して~」を決定したものである。

「アクションプラン2018」および「拡大版アクションプラン2018」と「アクションプラン2019」を比較してみると、
2019年のG20サミット、TICAD7、初のSDGs首脳級会合等に向けて、①国際社会の優先課題、②日本の経験・強み、③国内主要政策との連動を踏まえつつ、日本の「SDGsモデル」を特色づける3つの柱の各分野において、「SDGs実施指針」に掲げる8つの優先課題を国内実施、国際協力の両面においてSGDsを推進するとしている。
新たに「強靭かつ環境に優しい循環型社会の構築」が盛り込まれ、海洋プラスチックごみ対策、気候変動対策、防災および質の高いインフラ等の推進が明記された。
そして、展開とフォローアップとして、日本のSDGsモデルを東南アジア・アフリカを重点地域としつつ、国際社会に展開していくこと、国際的な指標等に基づいて、これまでの取り組みをレビューし、2016年12月に策定した「SDGs実施指針」を2019年後半に改訂するとしている。
SDGs実施指針の優先課題については、「拡大版2018年アクションプラン」の主な取り組みをさらに拡大、深掘りしていることが特徴と言える。

17のSDGsと169のターゲットは、人類および地球にとって極めて重要な課題であり、向こう15年間の長期間にわたり、経済、社会および環境における我々の行動を促進するものとなるだろう。
そのため、先進国および開発途上国がともに推進する中で、日本においては、政府および地方公共団体ならびに民間セクターである国内企業、多国籍企業および市民社会組織も「2030アジェンダ」の実施における重要な役割を有するものとされている。

日本の事業会社および金融機関の経営陣は、改めて、「2030アジェンダ」の目標およびターゲットの内容を十分意識するとともに、日本独自の「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」および「アクションプラン2019」を自社の経営ビジョンおよび経営戦略等に反映させ、事業計画に盛り込み実践していくことが喫緊かつ重大な責務となる。
現状、400社以上が公表している統合報告書等を概観する限り、企業のSDGs経営は緒についたばかりである。

金融庁でも、金融審議会の「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」(2018年6月28日)を受けて、2018年11月2日「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正案を公表した。
スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードが策定されて以降、特に
定量情報だけでなく、経営者の認識等の定性情報が、投資家にとって重視される傾向が強くなっている。
内閣府令改正案では、財務情報および記述情報の充実に係る改正に関して、有価証券報告書等の提出会社は、経営方針・経営戦略と、事業の内容や課題、リスク(ただし、気候関連のリスクは明記されていない)等との関連性について、十分に考慮した上で、より一層充実した開示をしなければならないとしている。
内閣府令改正案のうち、「財務情報および記述情報の充実に係る改正」は、2020年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等からの適用が予定されている。
記述情報の充実は、上場企業と機関投資家の対話を一層促進する契機となるだろう。

このような環境変化の中、企業は経営方針、経営戦略(事業戦略、財務戦略等)の開示を充実したものにするためには、その裏付けとなる実践が前提となる。
経営者はSDGs経営を実践し、経済、社会および環境に対する説明責任を果たすことが使命であろう。そのような企業が開示を充実すれば、結果として、金融市場で評価され、企業価値を向上させ、持続可能性を確保できるという好循環が生まれるのである。

そして、我々国民もSDGsに無関心であってはいけない。SDGs実施指針には、「(消費者)生産と消費は密接不可分であり、持続可能な生産と消費を共に推進していく必要があるとの認識の下で、消費活動において大きな役割を担う消費者や市民の主体的取り組みを推進していく。」と明記されており、我々国民も「SDGs」を意識した生活様式に転換しなければならないことは言うまでもない。たとえ、小さな一歩でもその積み重ねが大きな変化をもたらすことになるだろう。


<参考>

持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合(第6回)資料

20181221日 閣議決定後開催)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/dai6/gijisidai.html

持続可能な開発目標(SDGs)実施指針(20161222SDGs推進本部決定)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/000252818.pdf

持続可能な開発目標(SDGs)推進本部

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/

(参照:2018-2-4)