Friday, 15 March 2019 15:15

■韓国におけるオンラインショッピング戦争―過剰包装と労働環境に潜む闇―

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ここ数年、オンラインショッピングの競争が激化している。韓国はもともと、オンラインショッピングが発展しており、業者により多少違いはあるが、午後3時ごろまでに発注すれば、次の日に家で注文した商品を受け取れる。国土がさほど広くないため、陸内であれば、どこから発送しようとさほど時間がかからないのも事実である。

5、6年前までのオンラインショッピング業者の役割は、個々のお店を一つのサイトに集約し、カテゴリや価格帯別で検索可能にするというものであった。しかし、昨今、韓国ではオンラインショッピングサイトが在庫を持ち、自社の配送員が配達するという形式が注目を集めている。CoupangやMarket Kurly、大手スーパーチェーンのEmartやロッテマートなどが業界を先導している。夜12時までに注文すれば、翌日に必着というのを売りに、子育て世代など、外出が容易でない消費者層を取り込んだ。また、近くのスーパーでは入手できないようなものなどを揃えることでより注目を集めた。冬は子どもを連れて外出することが容易でないほど気温が下がる上に、季節を問わず襲来するPM2.5の影響で外出がままならない子育て層の心を鷲掴みした。

競争はさらに激化し、早朝や深夜にまで配達時間を拡大した。「雇用の創出」にも繋がるように一見思うかも知れないが、時給換算した場合、最低賃金に満たないケースが危惧されている。業務委託契約で配達要員を大量投入し、配達部隊を早朝、昼間、夕方、深夜に分けている業者もあり、配達する箱1つあたりの単価で賃金が支払われ、出来高制になっている。車は自家用車、ガソリン代も自腹、配達中に起きた事故に対する保険未加入など、配達要員は多様なリスクを負う。これらを問題提起する方々がいる反面、自分のスケジュールに合わせて自由に勤務できるスタイルを選好する方々はリスクがあることを感じていても、そのまま働き続けるという実態がある。

また、梱包作業を効率化するために、箱のサイズが限られており、商品のサイズとは全く合わない大きな箱に入ってくることが多々ある。素早く配達してくれるオンラインショッピングのおかげで便利さを手に入れたが、心のどこかでその裏にある環境への配慮欠如を懸念している消費者も多く、簡易包装を訴える声が上がっている。

便利の裏に潜む闇は深い。オンラインショッピング戦争はどんどん激しくなる一方で収束する気配すら見えない。そうなると、劣悪な雇用形態や過剰包装により大量のゴミは一向に減少することがない。

この事態を深刻に捉えた韓国環境部は2019年2月24日、食料品を中心に早朝に配達する業者らとMOU(Memorandum of Understanding:覚書)を締結し、発泡スチロールや保冷剤の再利用を促進する計画を発表した。また、あるオンラインショッピング業者の労働組合も雇用条件改善を求めるデモを繰り広げている。このように、過剰包装も劣悪な労働環境も問題であることに気づいている。気づきの先に、改善があることを切に願う。

【参考】(韓国語 原文のまま)
http://view.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2019030516001266573
http://www.bizhankook.com/bk/article/17314
http://www.laborplus.co.kr/news/articleView.html?idxno=21394
http://www.startup4.co.kr/news/articleView.html?idxno=11722
https://www.sedaily.com/NewsView/1VFFTFGX2Z